もう今から20年以上前が私にとっての初めてのキャンプツーリングでした。
当時の愛車はTL125イーハトーブ。
トライアル車なので積載能力は殆んど無し。
なので、キャリアを自作して何とか荷物を積めるように加工してツーリング仕様にしていました。
テントは帆布の三角テント、グランドシートは本体についておらず虫は自由に出入りできます。
その上、重さときたら、今のファミリーキャンプで使われているロッジ形テント以上の大きさと重さです。
考えてみると、すべての用品が重くてかさばる物だった。
ストーブはマナスル121、ご存知の人は少ないと思いますが灯油のコンロです。
これだって子供の頭ぐらいの大きさはあるし、現在のツーリングキャンプでは考えられません。
テント本体だけで、今私が使っている装備と同じぐらいの容積になると思います。
しかし、当時は「バカさとビンボウ」がありましたし、キャンプツーリングとはそんなものだとも思っていました。
シュラフもバッタ物ですから夜は寒くてウトウトする程度。
悲惨なキャンプツーリングだった。
食べたものは、ハンゴウで炊いた芯だらけのご飯にボンカレーと缶詰(サバカン)一個、飲み物はコーラ一缶のみ、しめて300円。
今、キャンプツーリングに行けばテントは軽量だし、ストーブも軽量、夜も安眠、
食事だって焼肉でも何でも出来てしまう。
ところが、始めてのキャンプツーリングで食べたボンカレーが今でも一番美味しい夕食だった気がします。
貧しくても(今も大差無いが)キャンプがしたい、ツーリングがしたいと思う気持ち、見るもの出会うものがすべて新鮮だったあの頃。
そんな中で食べた夕食ですから、不味いわけがありません。
今の私はキャンプツーリングで百泊以上の経験があるのでベテランの部類になるのでしょう。
たまにキャンプツーリングを始めて間もない「知識先行型」(最初は道具にこりますから)の友人とキャンプに行けば「隣のキャンパーのテントはどうだ、スートーブはどうだ」と批評を始めます。
「そうじゃないんだよ! 実はベテランよりずっとキャンプツーリングを楽しんでいるのは初心者なんだ! 道具じゃないんだよ!」と・・・言ってもまだ分からない彼には黙って微笑んでいるだけです。
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