亀井勝一郎氏が選んだ函館八景の一つがここ船見町にある高龍寺。
函館八景では高龍寺晩鐘となっておりますが、その鐘の音は確かに趣があります。
私がこの晩鐘を聴くのは、いつも決まって夜の9時。
すぐそばの入船築港で夜釣りをする時に聞いているのです。
「鐘も鳴ったし釣れないし、そろそろ帰るか〜」てな感じで・・・
それでは、少しだけ高龍寺についてお勉強してみましょうか。
ここ高龍寺は、寛永10年(1633)松前の曹洞宗法源寺の末寺として、亀田村(現在の万代町近辺)に立てられたのが始まりで、函館市で最も古い寺院。
宝永3年(1706)現在の弁天町に移転後、幾度かの大火のため建物を焼失して明治12年(1879)に完成し、本堂はケヤキ、ヒバ材で建てられ、同43年(1910)に完成した山門は総ケヤキ造りで、東北以北最大の山門といわれており、また、彫刻が見事です。
いずれも当時の名工たちの作で、明治時代末期の貴重な木造寺院。
境内には、明治2年(1869)の箱館戦争のとき、野戦病院となった寺で斬殺された会津藩士を供養する「傷心惨目の碑」(しょうしんさんもく)などあがり、墓地には勝海舟と親交があった渋谷利右衛門や日本最初に種痘を行った中川五郎冶などの著名な人の墓があるそうです。
当時の函館の中心街は十字街近辺でしたから、ここも現在よりは賑わいがあったでしょう。
本州に比べ歴史の浅い函館ながら、和洋折衷の街並みの『和』を代表する建物です。
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