2007年08月17日

涼みに山へ4

いくら若気の至りとはいえ、いい加減一週間も通い続ければ「何かがおかしい」と気づきます。

友人Sに「今日は横津に行くのやめるべ!」と言いい、友人Sも快諾。

ところが、私の中で何かが変・・・手持ち無沙汰でイライラしてくる・・・

何者かが呼んでいるような気がします。

結局、一人で横津岳へ行く事にした。

今までは、友人Sと一緒でしたが(バイクの腕の違いで、上に着くまでに数百m離されますが・・・)一人だとかなり心細い・・・

それでも何とか慰霊碑手前の駐車場まで到着・・・すると・・・友人Sがいるじゃありませんか。

お互いに驚いたったらありません。

Sに聞いてみると、やはり行かないとは言ったものの、いてもたってもいられなくなり、ここまで来たそうです。

こりゃ〜何かに呼ばれているかも知れない・・・本当にヤバそうなので、

私「上(慰霊碑)まで行くの止めるべ!」

友人S「うん、止めるべ・・・」

その日を境に、ばんだい号慰霊碑へ行く事は無くなりました・・・あくまでも慰霊碑までは・・・

それから私も友人Sも、お互いに連絡を取り合っていないにも関わらず、

誘い合わせたように約2ヶ月間に渡り、意味も無く毎日、毎日、慰霊碑手前の駐車場へ通い続けました。





そして2ヵ月後、ある事がきっかけで、私は横津岳へ登らなくなった。

「さあ〜今日も横津へ出かけるか」と、準備をしている最中の事。

数日前に遠い親戚で不幸があり、両親だけが札幌へ出かけ、たった今帰ってきました。

少しだけお土産を期待してたのだが、やっぱりそんな物はなかった。

その代わり、私の親がどこぞのお坊さんに拝んでもらったという数珠を買ってきた。

親「お前、数珠を持っていないだろ?必要な事があると困るから買っておいたからな」と、その数珠を私の手に持たせてくれました。

すると、これから行くはずの横津岳が何だか面倒臭くなってきたのです。

その上、今晩のテレビはなんだっけ?とか、最近模型屋さんに行ってないから、たまには行ってみるか?とか、ゲーセン行って『ブロック崩し』しようかな?と、頭の中で詰まらない事が沢山湧いてきた・・・

そして、「今日は横津行くのや〜めた!明日にしよっと・・・」となって中止。

翌日には「今日もや〜めた!明日行こう」と、そして明日、明日行こうと思い続けているうちに・・・

『もう、横津行くのや〜めた!』となってしまったのです。


さて、その数珠は、今でも通勤時や野山へ出かける時には必ず持参しています。

今までそのおかげで無事故なのかは分かりませんが、これからも持ち続けることでしょう。

一方、友人Sは、私が横津岳へ登らなくなっても暫らくの間は登り続けていましたが、突然本州への就職を決めて函館を離れて行きました。




ちなみに、2ヶ月間もそんな所へ通い続けると、不思議な事も・・・

それは、謎の登山者を何度か見かけた事・・・

最初に登山者を見たのは、スキー場がそろそろ見えてきそうな場所だった。

あまり気にも留めず、「夜に登山する物好きもいるんだな〜」ぐらいに思い、そのままバイクで追い越した。

友人Sも同様に登山者を追い越した事があると言っていたので、その登山者の身なりを聞いてみると

青いネルシャツにグレーのズボン、紺色の登山靴、背中にはキスリングザックと、私の見た登山者と全く一緒。

数日後、その登山者をまた見かけてしまった。

07 8 16.jpg
服装は全く同じで、彼はこの場所(画面真ん中の茶色いポールの様な物がある場所)にうずくまっていたのです。

いくらハスラーのライトが暗いといっても人間と物を見間違う筈はありません。

正面からヘッドライトに浮かび上がった登山者は生気を失っているように見えました。

『あれれ、こりゃ〜この世の者じゃないな・・・』と、第六感が働くや否や、全身サブイボ!(頭皮までサブイボができたのはこれが初めて)

すると、その登山者はフッと蒸発するかのように、ヘッドライトから消えてしまったのです。

そんな思いをすれば、それだけで人は寄り付かなくなるものですが、その後も横津岳に登り続けたあの2ヶ月間は一体何だったんだろうと今でも思います。   
                           

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posted by 黒ウサギ at 00:45| ☁| Comment(13) | TrackBack(1) | 野山 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする