私が雪道をバイクで走るようになって、何年経ったか正確に数えてみたら、今年で29年目だった。
そして、毎年毎年必ず誰かに聞かれるのが「寒くないですか」とか「寒いでしょ」って台詞。一年に100回は言われているはずなので、かれこれ3000回は聞かれているはず。10代や20代の頃はやせ我慢をして「寒くないです」って答えていたけど、30代を過ぎた頃から、素直に「寒いですよ」って答えるようになってしまった。
考えてみると、夏は夏でバイクに乗らない人はバイクが気持ち良さそうに走っている様を見て「バイクで気持ち良いでしょう」って聞くんだろうけど、夏にバイクに乗っても暑いし、虫もバンバン当たってくる。見た目ほど気持ち良いものではないんです。春はまだ寒いし、秋だって肌寒い。暑くも無く寒くも無く丁度良い季節など、年に一ヶ月ぐらいしかありません。
冬、バイクに乗ると顔・手・足・体とすべてが冷たくなり苦痛以外の何ものでもなかった事もあった。今は長いこと経験を積んで来たせいか、寒いのは寒いけど真冬に乗っても辛いというほどの寒さを感じなくなりました。
それじゃあ、どうして寒さを感じなくなったか考えてみた。
結果、若い頃は寒い箇所への対症療法的対応だったようです。つまり、手が寒ければ手袋を厚い物に変えるとか、足が寒ければモモヒキを2枚も3枚も穿くといった具合です。これだと気温と乗車時間に比例して寒さが増してきました。
現在は、とにかくお腹を暖める事が一番重要と思っているんです。お腹が冷えると血液はお腹の体温維持の為に手や足の末端まで行き渡りづらくなるようで、いくら暖かい手袋や厚い靴下を穿いたところで一向に温まりません。時間の経過と共に寒さは増すばかりなのです。
そんなわけで、とにかくお腹と腰の辺りの防寒を中心に考えるようになった。(もちろん手や足だってそれなりの防寒対策はしますが)これだと不思議なもので、時間が経過してもそれほど寒くありません。経験した寒さでは−5℃ぐらいなら丸一日走っても大丈夫でしょう。
一番寒い状況は+気温時のみぞれや雨で、これはかなり厄介。元々水は空気の25倍ぐらいの速さで熱を奪うはずですから、寒い中を12時間走るのと、みぞれの中を30分走るのとでは同じぐらい温度を奪うはず。こんな日はできるだけバイクに乗らない方が利口みたいです。
もう一つおまけがシールドの曇対策。走行中にシールドが曇ってしまえば安全走行などできません。通常、走行中はよほどの事がない限り曇る事はないんですが、信号待ちは必ずと言って良いほど曇る。曇止めを塗ってみたりしても効果は少しの時間だけ。曇止めの成分を調べてみると界面活性剤だそうで、同じ界面活性剤なら洗剤でも良いだろうと思ってチャー○―グリーンとかジ○イなんかを塗ってみた事もあったけど、効果は30分程度だし、いちいち洗剤を塗るのも面倒臭い。
今はシールドの付いたジェットヘル(アライSZ)を被り、止まる度にシールドを跳ね上げております。これならみぞれや雨でない限り曇りません。ちなみにフルフェイスのヘルメットはどうやっても曇ってしまったし、オフロードヘルメットはゴーグルとヘルメットのすき間からの寒風を遮断できないから寒かった。ゴーグルも曇るので熱線入ゴーグルにした事もあったけど、やっぱり隙間風が寒いし、ヘルメットとゴーグルのすき間に雪も積もるでお勧めできません。
また、どうしても雨やみぞれの中を走らなければならない時は、ダイビング用の薄いクロロプレンゴム製(ウェットスーツ素材)のグローブの上に軍手を付け、その軍手に洗剤を染込ませているんです。そうすれば曇った時にグローブで拭えば、しばらくは視界も何とか良好に走ることが出来るんです。我が家へ帰ってから洗剤を洗い流せばシールドに付いた汚れも落ちて一石二鳥と相成ります。
そうそう、洗剤を塗ると泡立ってしまう事がありますから“消泡剤”を混ぜると更に良いんです。
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