メイトのタイヤを夏タイヤに交換して100km近く走りました。
スパイクタイヤは形状から、曲がる時はあまり車体を傾けて走る事が出来ません。
所詮、実用車のメイトですから、スポーツバイクのようなコーナーリング性能など求める気はないけど、やっぱり車体をバンク(傾ける)させて曲がる乗り物って飛行機とバイク(他にもあるけど)だと思っているので、私の中では少々歯痒い感じがします。
なので、夏タイヤで走ると気持ちいい。
ん・・・
今日は昔の事を思い出したからちょっと書いてみようかな?
今から30年程前、○○○という友人がいて、これがとんでもなくバイクに乗るのが上手い男だった。
彼は50ccから1100ccまでのバイクに乗っていたけど、どんな排気量に乗っても上手い。
他のバイク仲間がブレーキの性能だとかタイヤの性能、そしてエンジンやマフラーがどうのこうのとウンチクだらけだったのに対して、彼は全く無関心。
だってウンチクだらけのバイク乗りは、アーダコーダと言うわりに、みんなヘタクソ(人並み)ばかりで、高性能ハイグリップタイヤを付けて走っても友人○○○より遅かったので全然説得力がなかった・・・
ウンチク連中にとって、タイヤの性能以上の走り方は出来ないっていうのが常識でありますが、タイヤの性能やメカばかりにこだわって、乗り方の基本である体重移動や操作する人間のテクニックついての会話がありません。これ一つでグリップするはずのタイヤが滑ることもあるし、滑るタイヤをグリップさせる事も出来るんですからね。
雪道走行でも、(当時はみんな雪道を走っていました)まずタイヤの空気圧を抜いてセオリー通りグリップさせようとしていました。
この第一歩が間違いだったのでしょう。
友人○○○はタイヤの空気圧を抜いたウンチクバイク連中と一緒に走っても、なぜか○○○の方が速かった。これも、思うに微妙なアクセルコントロールでタイヤをグリップさせながら走っていたんだと思います。
タイヤのグリップの良い夏場では、直進時メイトやカブのタイヤが滑る事などないわけで、夏場いい加減に走っていたツケが全部雪道に現れる。バイクを真っ直ぐ走らせる技術をマスターしていないが為、微妙に車体がぶれて滑り出しが早かったりします。夏場に走っている中年リターンライダーを後ろから見ると良くわかりますが、真っ直ぐ走っている人は滅多にいませんからね。
これは、低速走行時に常に真っ直ぐ走らせようと努力し続けないと身に付くものではありません。まあ、才能や年齢による老化もあるでしょうけど・・・
○○○の逸話は沢山あって書くときりがありませんが、少しだけ書いてみると・・・
(若気の至りの乗り方なので真似しちゃいけません)
友人○○○と一緒に走りに行った時、何気にスラロームをするんですが、これがひどいスラロームでバイクを傾ける度にステップとかセンタースタンドが接地する。
これを延々と何キロも続けながら走りやがる。
○○○が出来るんなら私も出来るんじゃないかな?と思って真似してみても、2〜3回は出来てもそれ以上は無理。
ステップを軸にして一回転倒するか、体重のかけ方が悪いからかタイヤがグリップしてくれないんです。
それでもアザだらけ傷だらけになって練習したけど、結局はできなかった。
私には車体をバンクさせて、また戻すという微妙な体重移動とアクセル操作が難しい・・・
雪道も同じで、私が滑りながらオズオズ走っている横をグリップさせて平気で走っているし・・・
クラッチを使わず体重移動だけで前輪を持ち上げて走るウイリーもそうだった。
私が一ヶ月以上かかって体得したのに、数分で覚えるし・・・
「なんで出来るんだ?」って聞いてみたら、「感覚だから分からない」ってのが答えだった。
それでも問い詰めると「後ろ足(ステップ)を思い切り前に押し出して、ハンドルを強く持って前輪を進めない(前進させない)ようにするのがコツ」だって言っていた。
出来る人なら分かるでしょうが、初めてのウイリーで決してハンドルを上に上げるとは言わない感性が信じられなかった。
そんなわけで根本的に何かが違っていた。
これは間違いなく才能の違いなんだから、『こりゃ〜自分に合った走り方をしないと命が幾つあっても足りないぞ』と、思ったのです。
結局、友人○○○と走ることによって自分の技量の程が分かってしまい、無理をしてもどうせ事故るだけなんだから大人しく自分の腕に合わせて走れば良いんだと思いました。
私がバイクで自爆事故を起こさなくなったのは、彼のおかげかも知れません。
ですからメイトでの林道走行もグリップの良いタイヤにしたところで、友人○○○に敵わないだろうな?と、いまだ心のどこかで思っている。
そして、グリップの良いタイヤにして性能云々を語りでもしたら、下手なくせに理屈だけは一人前のウンチク野郎になりそうな気がしてノーマルタイヤのままです。
それに滑り出しの早いノーマルタイヤこそ、冬場の練習になっている訳でもあります。
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