2014年07月19日

金剛杖

最近、運動不足を痛感して、やりたくないが筋トレを始めた。
先日、函館山へ登った時もそうだった。
自分が思ってる若い頃のペースよりかなり落ちていたし、加齢による体力低下を加味しても、思った通りの"歩き”が出来ませんでした。そして、妻も軽登山をしたいみたいなので、妻も交えて余暇をバイク中心の野山から、徒歩での野山(軽登山)を多くする事(日常の徒歩時間も多くした)にしました。
とはいえ、基本はバイクで野山へ行くのがメインなので、徒歩は、バイク走行を含めての体力維持と増強って感じです。

それにしても函館山へ行って驚いたのは、噂には聞いていたが登山者の多い事と山ファッションの決まったオシャレな人の多い事です。
私は、ほとんど誰もいない野山ばかり行ってるから「まんず驚いた」ってな感じ。

その上、トレッキングポールなる物を持って歩いてる中高年が多い事・・・
以前は「あんな杖みたいな物がないと歩けないなら、もっと体力作りしてから来ればいいのに」とか・・・
「あんな物ファッションだべさ」ぐらに思ってた。
しかし、ただ食わず嫌いってのも何だから調べてみたんです。
そしたら、びっくらこいた・・・
トレッキングポールって高い(高価)のです。
まあ、ピンからキリまであって、キリだとヤフオクのバッタ物では1000円ぐらいからある。
高級品ってか、おそらく登山をしてる人は、一本1万円以上の物を持ってるんでしょう・・・きっと。

知らない方の為に調べた範囲でお話すると、ポールにもいろんな種類があるみたいで、釣竿のパックロッドみたいに振り出してポールを伸ばす物や、繋いで伸ばす物があった。重さは竿同様、軽量な物(150g程度)ほど高く、重い物(300g程度)は安いのが基本でした。

トレッキングポールは『 山登りでの足の負担を手にも分散して、長時間歩行時の足やひざの疲労を緩和して転倒を防ぎ、年齢とともに低下していく関節の筋肉や骨への負担を軽減する効果があります』とある。
ごもっともな事で・・・
しかも使い方は、後ろに突いて歩行の補助をする使い方と、前に突いて転倒防止やバランスの保持をする目的があるみたい。まあ、そんな取説を読まなくても、そういう使い方だろうってのは、分かると思いますけどね。

メジャーなメーカーを見てみると・・・

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これが、レキってメーカーの物で約12000円

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こちらはブラックダイヤモンドで約14000円

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モンベルは約7000円、これはテント等でよく使ってるメーカーだから知ってます。

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これはヘリノックスで約16000円

どれが良いのか悪いのか、さっぱりわかりませんが、妻には貧乏臭くなく登山させたいので、形から入らせてあげようとトレッキングポール購入を考えた。自分もそうだったが(過去形ね)趣味の物ってのは、結局物欲だから、廉価品を持つと、高級品を持つ者は、その人を下に見るというか、見下す傾向が強い(キッパリ)のが嫌なところです。バイクでもそうでしょ?大型バイクに乗ると原付を見下したりしますからね。

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まあ、そこのところは人それぞれだから置いといて、松竹梅の竹と梅の間ぐらいのお値段であるシナノというメーカーの物を買って上げました。(定価8500円を5000円で購入)

さて、私はどうするか?
まずは、二本セットで買ったから妻と一本ずつ共有する事にしましょう。

一応、それで落ち着いたが・・・待てよ!

体力維持(増強)で軽登山をするとしても、趣味と実益を兼ねて行きたい所となると人が大勢登るような山なんかあまり登りたくありません。どうせ行くなら行きたいのは、霊場というか霊山です。

なんとなくだが、月山・羽黒山・湯殿山・富士山・白山・立山・比叡山・高野山・恐山そして四国八十八ヶ所は行ってみたい(歩きたい)と以前から思ってた。
現在の状況では、そんな所へ行くのは不可能なので(体力増強なんだからそんな所へ行く必要もない)近場でそれらしい場所といえば・・・ありました。
函館山にも三十三観音があるし、恵山も立派な霊場です。
まずは、そういう所から行く事にしてみます。

そこでまた、問題が出た。
私は、お持ち帰りしやすい体質なので、日頃から数珠を持ち歩いてるが、霊場系の場所に行けば、それだけでは足りないかも知れません。

それで思いついたのが、昔のトレッキングポール?である金剛杖(こんごうつえ)です。

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長さ130cm 持ち手2.1cm角 面取りしてある。
これだと若干の法力?があると思われるので、お持ち帰り防止に役立つかも知れません。

調べたら、四国にある四国八十八箇所巡礼用品店に送料無料で1000円と格安で売られてるじゃありませんか。

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金剛杖には、南無観世音菩薩同行二人と書かれています。
一般的に同行二人は、巡礼する本人と御大師様がご一緒するという事らしく、その他の解釈として御大師様の他に、巡礼する人の大切な故人が一緒に同行するという解釈もあるそうです。
確かにこれは良く分かる。一人と二人じゃ雲泥の差がありますからね。

宗教(仏教)には、死後の世界に“地獄”という場所があるが、普通の人がイメージする地獄というのは、血の池だったり針の山だったりします。そこには鬼がいますが、地獄にも階層があり、もっと下の地獄には鬼すらもおらず、真っ暗闇で自分一人がただポツンと存在するだけ。本当の地獄というのは、相手をしてくれる鬼もいない、孤独こそが最高の地獄なんだそうです。

そういう意味では、巡礼の際に同行二人と書かれている事が、どれほど心の支えになっている事でしょうか。
というわけで、これはいいかもしれない。

宗教色が強くなるここから先は、わずかな知識の私見で書きますからご理解下さい。

御大師様とは、弘法大師(空海)です。
そして、真言宗の開祖、真言宗といえば、密教。
密教は(かなり私見)他の宗派と違い、人殺しでも泥棒でも何でもありと私は解釈しています。
しかし、行為には、作用をすれば反作用(物理法則でもある)がある。
つまり、人を殺したり盗みをすれば、それ相応の報いが必ず降りかかる。
だから良い事をすれば良い反作用が生まれる。
「人が生きる上で四苦八苦は避けられないが、どうせ生きるなら、善行をして安楽に暮らした方がよろしい」という感じで私は理解しています。

私は信心深い人間じゃありませんが、訳あって10年ほど前から、1年363日ぐらい真言を唱えています。(お休みの日もたまにある)しかし、真言を唱えたからといって外部からの力(神、仏)で御利益がある(あった)とは思えません。(知らないところであったかもしれないが)それよりも、真言を唱える事自体が自分の善に働きかける効果が少しあるような気します。簡単にいうと、立小便しようと壁に向かって立った時、そこに鳥居の絵が書かれていたらオシッコを鳥居にかける事は出来ません。それと同じように、真言を唱え続ければいつも心のどこかに鳥居(善)を置いて悪事にブレーキがかけられる御利益は間違いなくあります。

そして、金剛杖に書かれている“南無観世音菩薩”と唱えるのも同じように御利益があるそうです。

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さて、その金剛杖には、南無観世音菩薩同行二人と書かれてましたね。
同行二人は、説明したのでお次は“南無”です。
これは、尊敬、崇敬を表す言葉(感嘆詞)というか呼び名です。
そして“観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)”は、いわゆる観音様。

ここでミニ知識、菩薩の他にも如来、菩薩、明王、天の4種類の仏様がいます。

如来(にょらい)≒悟りをひらいた仏様で天上世界で動かず見守っている存在(阿弥陀如来・大日如来・釈迦如来など)

菩薩(ぼさつ)≒如来になるための修行中の仏様で天上界から下界(人間界)へ降りて、人々を救う仏様(これが観世音菩薩=観音様で他には千手観音菩薩・地蔵菩薩など)

明王(みょうおう)≒如来が化身(変身)した姿で、悪人をこらしめ、人々を救っている仏様で怖い顔をしています。(不動明王・愛染明王ほか)

天 (てん)≒地獄界・餓鬼界・畜生界・修羅界・人間界・天界という六道の天にいる仏様。(七福神の弁財天・大黒天ほかいっぱいいます。)

さて、金剛杖を見てみましょう。

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上の方に梵字(ぼんじ)が書かれており、刻みが入ってます。
これを五輪(ごりん)と言い、この世界(万物)を構成するとされる「地・水・火・風・空」を表しているそうです。
ここは基本素手で握ってはいけないそうなので、金襴(きんらん)で出来たカバーをしますが・・・
ん?・・・金襴ってなんだべ!

♪金襴緞子の帯締めながら、花嫁御料はなぜ泣くのだろ♪の金襴かな?
調べてみたら正解だった。
金襴とは、金糸を絵緯(えぬき)として文様を織り出した織物というから高級な織物って事でしょう。

それじゃあ緞子(どんす)はなんだろう?
これも礼装用の帯地のほか、表装具や寺院の調度品などに使われる高級な織物の事だった。
花嫁御料がする帯が金襴緞子なんだから、まあ、そういう高級な織物だって事ですね。
しかも、この金襴には鈴が付いているから熊よけ効果がちょっとあるかも知れません。
この時点でもう、ご利益ありかもね?

さて、今回は長々と書いてしまいましたが、要するにトレッキングポール代わりと、お持ち帰り防止として金剛杖をしばらく使ってみましょうって事なのでした。
posted by 黒ウサギ at 20:17| 北海道 ☔| Comment(8) | TrackBack(0) | 野山 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする