2016年01月29日

自転車ピンの感想

 自転車用スパイクピンをノーマルスパイクタイヤに打っていたが、その結果報告をしてみます。まず、なんで自転車用スパイクピンにしたかというと、スタッドレス+弁慶が今のところ最高と思ってたが、スタッドレスの寿命が短いのが欠点(2000〜3000km)で、毎年タイヤを作るのが面倒になってきたんです。しかも弁慶は、タイヤの溝に装着するわけで、付け過ぎるとアイスバーンは良いにしろ、圧雪だとタイヤの溝が埋まって走らなくなる事がある。それで2〜3シーズン持てばと思いついたのがノーマルスパイクに自転車用ピン装着です。

 まず、ノーマルスパイクタイヤというのは、雪道をなんとか走れる程度のタイヤって事を頭に入れておいて下さい。最初から弁慶を付けたり、マカロニやカップフルピンスパイクタイヤにして走る人には、ノーマルスパイクの滑りやすさは書いても分からないでしょう。『黒ウサギ的こころ』のここに書いてある『雪道走行の話』の『タイヤ編』を全部読んでも雰囲気程度だと思います。こればかりは実際に走ってみないと分からないですからね。

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 さて、まずは上画像をご覧下さい。これがノーマルスパイクタイヤでボンサンというメーカーの物です。同じサイズでも(250-17もしくは225-17)スパイクピンが2個ずつ打ってある物(上写真)と3個ずつ打ってある物があります。

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3個ずつ打ってあるタイプ

もちろん3個ずつ打ってある方がピン数は多いが、スパイクタイヤを注文すると残念ながら、殆ど2個ずつ打ちのものばかりです。2個打ちタイプのピン数が約80本。これに自転車用スパイクピンを打ったわけです。まずは、ピンの打ってない部分すべてに打てばノーマルスパイクの1.5倍のピン数になるのは算数なので分かりますね。

 次に・・これも画像の方が分かりやすいから写真で説明しましょう。

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これがノーマルピンのピン配置

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そして、最初に増量したピンが黄色い点です。これで1.5倍ね。

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次にセンターの部分に打ってみました。赤い点の部分がそれです。

私が入手可能な最小サイズのバイク用スパイクピンでもフランジ(お皿)が6.5mm、全長が5.7mmあるからこの部分には打てませんが、自転車用ピンだとフランジが6mmでフランジ自体の厚さが半分以下なので打てる。これが自転車用ピンの長所です。

 ここすべてに打つと(打ったけど)ピン数がノーマルの3倍です。あとはサイドのピン打ちです。このサイドのピンは、直進走行には全く不要なピンで、通常では路面に当たりませんが、オットトした場合、無ければ即転倒につながる重要な部分ですから、あるのとないのでは雲泥の差がありますし、ソロバン道路対策にも欠かせないピンだと思っています。

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 ここは、普段路面に当たらない部分なので、硬いタングステンスパイクピンである必要がないのを良い事に、ケチってイモネジも少し打ってある。イモネジだとホームセンターでも普通に購入出来るしグリップ力もある。しかも減ったら交換も可能と良い事ずくめです。

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それから買っているが使わなかったタップピンというのもあります。これはバイクの簡易ピンとして売られているコルクッター(KOLD KUTTER)っぽいから買ってみただけ。

 このサイドピンはまだ全部打っていませんが、予定では全部打つ予定です。

さて、講釈はこのぐらいにして、走ってみた感想です。

新雪路面・・・これはノーマルスパイクとドッコイドッコイ。ピンの影響が出ませんからね。

圧雪路面・・・少しスパイクの効果が感じられ、そこそこ走る。弁慶50本装着のノーマルスパイクより勝っている感じ。しかし、スタッドレスに弁慶50本装着の場合より少し劣る。

圧雪アイスバーン・・・弁慶装着のノーマルスパイク、スタッドレス両者に劣る。弁慶だとピンの突き出しが2mm以上あるが、自転車ピンの突き出しが1mm以下のためだと予想されました。それでもコントロール可能なレベル。

ブラックアイスバーン・・・これは最強でした。ピンの突き出しよりピン数なのでしょう。後輪ブレーキをかけると強く路面を引っかきました。それでも大きな砕石路面の林道程度。

ソロバン道路・・・ノーマルスパイクだと転びながら進んでるレベルだが、これもなんとか走られた。弁慶装着タイヤでも、これは同様ですからね。

外乱(1cmもないような路面の縦横斜めの溝や凹凸 転倒の一番の原因)・・・ノーマルスパイクだと間違いなく転倒ですが、なんとか大丈夫な感じ。でも、正直なところ路面は千変万化なので比較できません。どんなタイヤでもやっぱり怖い。

全体的な印象・・・ピンの突出しは短いが、ピン数(約300)が多いので、どの路面でも接地感はある。低速時(30〜35q/h)の安定性が良く安心して走られます。それ以上の速度だと他の種類のピンの方が優れている感じ。

 冬のバイクは滑るし転ぶ、しかし、私はほとんど転倒せず毎年過ごしている。さすがにスタッドレスやノーマルスパイクタイヤでは、こうはいかないでしょうから、タイヤの強化は必要と考えて現在の状態なわけです。でもね、もちろんタイヤも大事だが、タイヤ以上に“心”の問題もあると思う。突き出し5mmのフルピンタイヤを履けば、夏道同様とは言わないが、圧雪路面なら、かなりのスピードで走れるでしょう。でも、スピードを出せば転んだ時ケガも大きくなりやすいのは明白です。『性能の良いタイヤを履いてゆっくり走れば更に安全』だと思います。良いタイヤを履けばスピードを出したくなるのが人情ですが、そこを抑える心が一番の問題でしょう。

 それから私が体得した唯一のテクニックを少しお話しましょう。FFオートマ車を乗る人なら分かるでしょうが、ツルツルのアイスバーンの発信時、クリープ現象で車が動き出したあと、アクセルを踏むとタイヤが滑るのを経験した事があると思います。クリープ現象並みのアクセルワークで発進したら滑らないでしょうね、きっと。

それと同様に雪道のバイクはアクセルワークが重要です。夏場のアクセル開度を5段階としたら20段階ぐらいに分けて微妙なアクセルコントロールが大事なんです。と、書いても、こればかりは経験です。性能以上にタイヤはグリップしないけど、タイヤの性能以下のグリップ力しか出せないのは、アクセルワークが悪いからだと私は思ってますからね。もちろんブレーキもです。

 まあ、今回は自転車用スパイクピンをノーマルスパイクに打った話であって、運転技術の向上が目的じゃありません。残念ながら技術向上のためなら、転倒覚悟で限界を知る必要もありますからね。何度も書きますが『敷居を跨いで出掛け 敷居を跨いで帰ってくる』これが一番の目的です。
posted by 黒ウサギ at 18:25| 北海道 ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | バイク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする