2008年11月14日

雪道29年目

私が雪道をバイクで走るようになって、何年経ったか正確に数えてみたら、今年で29年目だった。

そして、毎年毎年必ず誰かに聞かれるのが「寒くないですか」とか「寒いでしょ」って台詞。一年に100回は言われているはずなので、かれこれ3000回は聞かれているはず。10代や20代の頃はやせ我慢をして「寒くないです」って答えていたけど、30代を過ぎた頃から、素直に「寒いですよ」って答えるようになってしまった。

考えてみると、夏は夏でバイクに乗らない人はバイクが気持ち良さそうに走っている様を見て「バイクで気持ち良いでしょう」って聞くんだろうけど、夏にバイクに乗っても暑いし、虫もバンバン当たってくる。見た目ほど気持ち良いものではないんです。春はまだ寒いし、秋だって肌寒い。暑くも無く寒くも無く丁度良い季節など、年に一ヶ月ぐらいしかありません。

冬、バイクに乗ると顔・手・足・体とすべてが冷たくなり苦痛以外の何ものでもなかった事もあった。今は長いこと経験を積んで来たせいか、寒いのは寒いけど真冬に乗っても辛いというほどの寒さを感じなくなりました。

それじゃあ、どうして寒さを感じなくなったか考えてみた。

結果、若い頃は寒い箇所への対症療法的対応だったようです。つまり、手が寒ければ手袋を厚い物に変えるとか、足が寒ければモモヒキを2枚も3枚も穿くといった具合です。これだと気温と乗車時間に比例して寒さが増してきました。

現在は、とにかくお腹を暖める事が一番重要と思っているんです。お腹が冷えると血液はお腹の体温維持の為に手や足の末端まで行き渡りづらくなるようで、いくら暖かい手袋や厚い靴下を穿いたところで一向に温まりません。時間の経過と共に寒さは増すばかりなのです。

そんなわけで、とにかくお腹と腰の辺りの防寒を中心に考えるようになった。(もちろん手や足だってそれなりの防寒対策はしますが)これだと不思議なもので、時間が経過してもそれほど寒くありません。経験した寒さでは−5℃ぐらいなら丸一日走っても大丈夫でしょう。

一番寒い状況は+気温時のみぞれや雨で、これはかなり厄介。元々水は空気の25倍ぐらいの速さで熱を奪うはずですから、寒い中を12時間走るのと、みぞれの中を30分走るのとでは同じぐらい温度を奪うはず。こんな日はできるだけバイクに乗らない方が利口みたいです。

もう一つおまけがシールドの曇対策。走行中にシールドが曇ってしまえば安全走行などできません。通常、走行中はよほどの事がない限り曇る事はないんですが、信号待ちは必ずと言って良いほど曇る。曇止めを塗ってみたりしても効果は少しの時間だけ。曇止めの成分を調べてみると界面活性剤だそうで、同じ界面活性剤なら洗剤でも良いだろうと思ってチャー○―グリーンとかジ○イなんかを塗ってみた事もあったけど、効果は30分程度だし、いちいち洗剤を塗るのも面倒臭い。

今はシールドの付いたジェットヘル(アライSZ)を被り、止まる度にシールドを跳ね上げております。これならみぞれや雨でない限り曇りません。ちなみにフルフェイスのヘルメットはどうやっても曇ってしまったし、オフロードヘルメットはゴーグルとヘルメットのすき間からの寒風を遮断できないから寒かった。ゴーグルも曇るので熱線入ゴーグルにした事もあったけど、やっぱり隙間風が寒いし、ヘルメットとゴーグルのすき間に雪も積もるでお勧めできません。

また、どうしても雨やみぞれの中を走らなければならない時は、ダイビング用の薄いクロロプレンゴム製(ウェットスーツ素材)のグローブの上に軍手を付け、その軍手に洗剤を染込ませているんです。そうすれば曇った時にグローブで拭えば、しばらくは視界も何とか良好に走ることが出来るんです。我が家へ帰ってから洗剤を洗い流せばシールドに付いた汚れも落ちて一石二鳥と相成ります。

そうそう、洗剤を塗ると泡立ってしまう事がありますから“消泡剤”を混ぜると更に良いんです。



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posted by 黒ウサギ at 19:38| ☁| Comment(4) | TrackBack(0) | バイク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
スゴイ!!
これは目からウロコですね!
雨の日のシールドの曇りは、ウザッタイ上に危険ですから。
快適な視界を確保すると言うことは、運転する上での絶対条件ですからね。
それにバイクという乗り物は体温調節が難しい乗り物ですから、私も服装には気を遣います。
黒ウサギさんの仰るように、バイクに乗っていて「快適だ〜」なんて思うことは…少ないです。
それに走ってる時は良くても、降りると(止まっている時)最悪とかフツーですもんね。
Posted by ショセイ at 2008年11月14日 22:41
黒ウサギさん
こんばんは

今までバイクを通勤等の足として利用した経験はありませんでした。
29年間通年となりますといやはや‥脱帽であります。

私の場合はあくまでも遊びの一貫でしたが、寒いと面白くもなんともないのでね。

自分なりにショボイ経験と共に寒さ対策は積んできたかな〜と思ったりもしてますが、黒ウサギさんの比ではありません(笑)

寒さに対して万全であっても、おっしゃる通り最悪は雪による視界悪でした。

丁度今時季、峠回避で北見から襟裳への南下途中、本別までの40km区間完全雪面テカテカ道。
X4はサマータイヤ(お恥ずかしい)だったんですけどね。
自衛隊ジープが側溝にハマってるのを横目に時速40ペースでトコトコと(笑;)
変な汗かきましたがお天気は上々で何とか乗り切れましたが
最悪は江差からの帰還、中山にて半端無いみぞれの洗礼を受けた時でした。
雪合戦で眼鏡に受ける雪球の如く、半開けフルフェイス・シールドを拭っても拭っても間に合わない。
セコンドギヤで外側線を頼りに下りた時は半ベソもんでした(笑)

そんなこんなで‥冬眠時期は年々早め早め安全牌なバイクライフしております。










Posted by mori at 2008年11月14日 23:30
雪道4年目の若造の私〜〜〜たいへん勉強になりました〜〜〜♪

私も人に尋ねたれたら〜『夏は暑くて〜冬は寒いからバイクは楽しい〜♪車に乗ってたら眠くなっちゃうもん』って答えてます〜〜〜(笑
Posted by 雪国の年中バイク乗り at 2008年11月15日 08:40
ショウセイさんへ

シールドの曇りは嫌というほど色々試しましたが、決め手には一つ欠けますが、
洗剤作戦が今のところ私の中で一番みたいです。
真冬にツーリングする時は、シールドが雲ってしまえば死活問題ですからね。

他の寒さ対策では、靴の敷き革用や手袋用の使い捨てカイロも売られていますから全く問題ないんです。

それからフリース、昔はセーターだけでしたがこの素材で雪道走行(寒さ対策)に革命をもたらしましたね。安くて暖かくしかも軽い、おまけに繊維自体に吸水性がないのですぐ乾くと、良い事尽くめです。


moriさんへ

レジャーでバイクに乗るのと通勤でバイクに乗るのとでは全然違う乗り物になってしまいます。レジャーだと寒くなく乗る事が大切で、通勤だと目的地にたどり着くまで寒くない服装がテーマ?です。

私は昔からバイク通勤だったので、雪道走行を普通に感じるようになってしまいました。寒さ対策は、昔は若さのみでしたが、今では色々と知恵が付いたので安上がりで暖かく走れるようになっています。暖かく走る技を書くとパート5ぐらい続きそうですが、読んで役に立つ人など殆んどいないでしょうから、書かない事にしましたね。
(書くと2時間はかかりそう・・・汗)


雪国の年中バイク乗りさんへ

おっ、雪国さんは4年目でしたか?
雪国さんの所有バイク数はハンパじゃないですから色んなバイクに乗って試行錯誤できますから、進歩も早いでしょうね。
私も今年は一つだけ試してみたい物があるんで、アイスバーンになったらご紹介します。
何年乗っても雪道は恐いときがありますから、今期も安全に行きましょうね。
Posted by 黒ウサギ at 2008年11月15日 15:35
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