2007年02月17日

山笑ふ

 ラジオを聴きながらお仕事をしていたら、 
正岡子規の『故郷や どちらを見ても 山笑ふ』と言う俳句を耳にした。

 俳句には、季語を入れるのがルールですから、
この、『山笑ふ』というのが季語にあたりますね。

これは「春山淡治(たんや)にして笑ふがごとし」という文章が元でしょう。

山の木々が芽を吹き、福寿草やフキノトウなどが芽を出し、
花を咲かせる春の野山は、これから生命に満ち溢れます。
 
そういえば、山を季語にするのは、春ばかりではありませんでした。

俳句では、夏は「山滴(したた)る」「山茂る」

       秋は「山粧(よそお)う」「山飾る」

       冬は「山眠る」というのがあります。

人の動作にたとえた擬人法ですが、笑ったり、茂ったり、化粧したり、
眠ったりする山の四季を、これらの季語で詠まれています。
 
ところで、こういうふうに詠まれた山って、どんな山だったでしょうか。

青葉が茂り、紅葉し、冬眠に入るのは落葉樹の周期ですから、
やはり落葉樹の山でだったのでしょう。

今年の道南地方は雪が少ないので、
山が眠りから覚めて笑うのは近そうです。


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posted by 黒ウサギ at 01:15| ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | 野山 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
高尚な話題ですね〜。
出典は忘れましたが、下記のようなものもあります。これは詩だったような?
山笑う
山動く
山燃ゆる
山眠る

1年中山に登っている私としては、これらの表現を身を以て楽しんでいます。どの季節も、それなりに好きです。黒ウサギさんも書かれていますが、今年の山は寝不足になること間違いなさそうです・・・?
Posted by sakag at 2007年02月17日 05:15
正岡子規は写生・写実を重視した自然主義の影響を受けた歌人ですよね。司馬遼太郎氏の「坂の上の雲」の中で、生き生きと子規の生涯が実写されてました。
『故郷や どちらを見ても 山笑ふ』
って、子規らしい写実的で簡潔な俳句ですね。
黒うさぎさんは、冬場の眠りはあまり好きではないようですね。身体がうずうずして来るのではないでしょうか?
それにしても、今年は異常な暖冬ですね。
Posted by 阿頼王 at 2007年02月17日 08:11
sakagさんへ こんにちは

あと一ヶ月ほどで、冬も終わりでしょうし・・・
本当に今年の道南地方の山は寝不足かもしれませんね。
今年の夏は、水不足にならなければよいのですが・・・

そうそう、八雲町横山、楽しく拝見させていただきました。
桜野温泉まだやっているんですね(失礼)
あそこの林道は、ほんの少し前まで姫待峠まで通じていて、
乙部岳に行けたのに、今は廃道となって残念です。

Posted by 黒ウサギ at 2007年02月17日 11:35
阿頼王さんへ

さすが阿頼王さんよくご存知ですね。
正岡子規は35歳で他界し、その7年間は結核を患っていたそうです。
短い生涯ですが、残したものは偉大だと思います。

去年のように毎日毎日雪かきばかりの日々と比べれば今年は暖冬のため、
あまりストレスがたまりませんね。
あと一月、我慢しましょう。
その頃、阿頼王さんの所はそろそろお花見かな?

Posted by 黒ウサギ at 2007年02月17日 11:54
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