
二年前までキャンプ時の主力ストーブ(コンロ)は七輪(飛騨こんろ)でした。もちろんアルコールストーブやガスストーブも使っていたが、これは短時間でお湯を沸かす時等の補助だった。『飛騨こんろ』の燃料は、ご存知の通り『炭』なので、ゆっくりと長時間燃焼し続けるから、時間だけはタップリある冬キャンプ時の焼肉や鍋物には持って来いでした。

その後、『プチかまどS1』なる金属製焚き火台を使用するようになると出番がなくなった。理由は簡単で、飛騨こんろは嵩張るから。しかし、この二年間プチかまどS1を使ってきたが、やはり七輪の僅かな炭でも調理出来る利点が見直されてきました。
なにせプチかまどS1だと2kgの炭を持っていっても、燃焼効率が良すぎる為、ほぼ全量を使い切っています。飛騨こんろの時だと1kgの炭で2回キャンプに使っても余ったぐらいです。もちろんプチかまどS1も焚き火台としては高性能なので、これは炭火も使える焚き火台として考えれば良い物ですけどね。
でも、やっぱり七輪の魅力を知っている私としては、また七輪を復活させようと考えていた。
その七輪には、製造方法の違いから『練り物』と『切り出し』というのがあって、練り物は七輪の原料である珪藻土(藻類の一種で珪藻の殻の化石化した堆積物)を粉砕して粉末にし、それを七輪の形に入れ焼き上げた(混ぜ物をする場合もあるらしい)七輪で、切出しとは、珪藻土の地層からそのまま原料を切り出し、珪藻土の塊を七輪の形に削り出して焼き上げた物です。
練り物の長所は安価な事ぐらいで、私の感じる一番の短所は重い事です。ホームセンター等で売られている2000円程度の七輪がそれ。一度持ってみると分かりますが、七輪と同じ容積のバケツに水をいっぱいに入れた状態より重い感じ。それに対し切り出し七輪は、珪藻土の組織を破壊せずに作られているので、大量の空気を含んでいる為、練物と比べて断然軽くて断熱も良い、ある程度なら水をかけても練物のように崩れてしまう事も少ない。しかも鉄やステンレスで出来た焚き火台に比べ、遠赤外線を七輪自体からも大量に放出するので、食べ物もおいしく焼けると長所だらけ。唯一の短所としては、高価な事でしょう。練物が2000円とすれは、同じ大きさだと1万円程度するので値段は4〜5倍です。その分、練物のほとんどが中華製造に対し、切出し物は純国産品ですから信頼性について雲泥の違いがあると思います。なにせ私、日本製品だが中華組み立てのクロスカブで身に染みていますから。
そんな珪藻土の国内主産地は、秋田、大分、石川県能登が有名で、各産地で特色が違います。一番の違いは珪藻土の成分であるSiO2(二酸化珪素)で、概ね大分83% 秋田81〜85% 能登72%でした。となると主成分の少ない能登が一番劣ると思われますが、そうじゃないらしいです。というのも二酸化珪素が多く含まれるとサラサラになって成形出来ないそうで、能登の含有率72%だと天然の状態から七輪を作られるのだそうです。
とまあ、いろいろ調べているうちに、だんだん七輪を復活させようと思ってきましたが、問題なのが積載量に限りのあるバイクというわけです。以前、飛騨こんろを持って行った時でも七輪の味は捨てられないが「無くてもイイか?」と自問自答してたぐらいですからね。飛騨こんろだと、大きさが15×15×15cmぐらいで、容量約3.5Lです。地味にかさばるし、焼き物以外はガス等のストーブに依存していました。そこで発想の転換をしてみた。七輪を復活させるなら、もっと大型の七輪にしてストーブを使わず、焼き物から煮炊きすべて七輪を使えばと。
とはいえ、やはり限りある積載量ですから、その着地点をどうするか悩みました。今まで使っていた飛騨こんろの焼きしろ面積が100cm3ぐらいなので、焼き物から煮炊きすべてを行うには、その2倍の200cm3は欲しいところです。となると、おのずと七輪の大きさも考えられる。概ね直径20cmから25cmぐらいの七輪が焼きしろ面積200cm3となります。調べてみると切出し七輪で20cmから25cmの物がありましたが、切り出しでも重さが2.5kg程度もあり飛騨こんろの0.7kgから比べればかなり重い。もっとも練り物だと4〜5kg以上あるから軽いといえば軽いのですが、それでもやっぱり重い。

あさがお型七輪
今まで調べていたのは、いわゆる一般的な『あさがお型』七輪なわけで、七輪にはもう一種類『ひまわり型』という高さを抑えて卓上でも使える七輪がありました。

ひまわり型七輪
これも調べてみるとあさがお型より1kgぐらい軽く、1.3kg〜2kgまでが売られていた。そこで、焼きしろ面積200cm3程度の物は、直径21cmの一分炭七輪が目に留まりました。

一分炭七輪

この七輪が一分炭七輪というのは、ヤシガラ炭を原料にし、下部に着火剤が付き、その燃焼により約1分で炭に着火し、約3〜5分後には調理可能となる一分炭用の七輪(通常の炭使用も可能)だからだそうです。
これなら重さも最小である1.3kgで言う事ありません。もっともお値段が送料込みで7400円ですから、かなり高い買い物になるので一度この計画は保留となってしまいました。私としては、欲しい物をしばらく我慢していれば、熱が冷めて欲しくなくなると思っていたが、2ヶ月ほど経っても、欲しさは変わらないどころか益々欲しくなってしまった。という経緯を持って購入と相成りました。

それでは一分炭七輪を見てみましょう。

新品なので綺麗ですが、一回使えば汚れます。

洗うわけには行かないので、使いほどに味が出る?

持つと想像以上に軽いのがうれしい。

下部に着火剤が付いていて、燃焼し終わると鉄が残り、炭だけで使用する時には火皿として使えるそうです。
あとは大きさですが、いろいろ切り詰めてバイクへの積載時に6〜8Lぐらい余裕が出来たので、七輪の容積約6Lも何とか積めました。とはいえ、七輪ですから振動対策をしても、林道走行では不安なので冬キャンプと舗装路中心のキャンプツーリングのみでの使用となるでしょう。なにせ飛騨こんろの時も林道走行の振動でパカッと割れた事(針金で縛って使ってたけど)があるくらいですから。

使ってみた感想は、飛騨こんろも切り出し七輪でありましたが、やはり一回り以上大きいだけあり、予想以上の燃焼効率と炭自体から出る熱もさる事ながら、七輪本体から出る熱(遠赤外線)も焼きしろ方向へ上がっているのを感じます。ステンレス製のプチかまどS1だと、遠赤外線が四方に分散していたの分かりましたからね。その分焚き火台として使えば、熱が四方に分散するので周りの人も暖を取れるというわけです。

まだまだ七輪について調べ切れていませんので、使い続けながら調べていこうと思っています。
この七輪について詳しい事は、七輪本舗さんのHPと一分炭本舗さんのHPが参考になると思います。
うんちくについては、こちらで見られますので興味ある方はご覧下さい。
やっぱり七輪はいいですよねぇ!
私は一人用角形の「俺の七輪」を愛用しています。
当初は「ノースイーグル」で販売してましたが
現在は「バンドック」になってます。
網が特殊なサイズなので「七輪本舗」さんで購入するのですが
七輪本体が1000円だったのに予備の網が1200もしました(笑)
林道の振動に耐えて今年で8年目です!
ここ二年ばかり鉄板製の焚き火台を使ってましたが、やっぱり炭火は七輪に敵いませんでした。
私の場合バイクなので、小さい七輪でも容量と重さが問題なので考えましたね。
林道を走るキャンプには難しいけど、キャンプ中心のツーリングなら良いお供が出来ました。
ちなみに切り出し七輪だと1日8時間炭を燃やしても1000日以上持つそうです。
私レベルなら割らない限り一生物になりますね。
>臨時収入があったから、以前から欲しいけど買えなかった物を悩んだ末に買いました。
ですか?
いやぁ、オサレですね。この太い「真鍮の縁金?帯?」ってんですか、重厚感があってすっごくいい。
覗き込む御萩さんの上に翻って「鉢かづき姫」にならなければと案ずるは杞人の憂え。
ところで七輪、「シチリン?」「ん?」「あれっ?」「ヒチリン」どっちだっけ??
となることありませんか?
自分では「ヒ」と「シ」は区別がついているつもりですが、数字の「七」についてはときどき迷います。ですから意識的に「ナナ」と読むようにしています。でもさすがに「ナナリン」とは言いませんが。
以前、「砂利をシく」と言ったら、鼻で笑われたことがあります。おそらく「こいつ東京育ちだから『ヒ』と『シ』が区別できないんだ、へっ」と思ったのでしょうね。そのときは「漢字書いてみろよ!おまえは『敷島』をヒキシマって読むのか?『倉敷』はクラヒキか?」といいたかったのですが、そういう人を相手にまともなことを言っても無駄なので、適当にお茶を濁しました。
「ヒ」と「シ」ではありませんが、おでん鍋の話の中で「ちろり」と言ったら、「ん?ああ『いろり』ね」と直されたこともあります。深入りしたくなかったのですぐに話題を変えました。
世の中、自分が一番の人が多いのでたとえ「キョウロン」でも聞かなかったふりが賢明。へたに「うーん、なるほど、経蔵と論蔵で『キョウロン』ですか。つまり、釈迦の教えとその解釈に通ずれば人を教え諭すこと能うというわけですね。教諭、すなわちキョウロンとは上手いことを仰る」なんて話を膨らませたらタイヘン。
そうです。
この七輪は、中途入社した私に勤続十周年を記念して会社から金一封が出ました。
それをどうしようと考えてたら、妻が好きに使って良いと言われました。
で、七輪を買うと妻に伝えたら「七輪かい」と言われたけど、欲しい物はこれなので買いましたね。
七輪は七厘と言うだけあって炭代が一回七厘とお金がかかりません。
ちなみに・・・
>この太い「真鍮の縁金?帯?」ってんですか
これ、真鍮ベルトと書かれてました。
昔からあるものなのにハイカラな名称になってます。
「シ」と「ヒ」ですけどね。
どっちも私違和感ありません。
田舎ではどっちもありでしたわ(笑)